杖をついた女性がお店で転倒!!これもお店の責任??
【本日のご相談】
パン屋やカフェを5店舗経営しています。
パン屋で起きたトラブルについて相談させてください。
杖をついている年配の女性がパンを選んでいる最中に、店内で転んでしまいました。パンを選ぶ際は、トレーやトングを使うので、杖はレジカウンターで預かっていたのです。
おそらく、何かの拍子にバランスを崩され、杖のような支えがなかったので転んでしまったのだと思います。
その場にいたアルバイトが、すぐに助けたので、大事には至らず、パンを買って帰って行ったので安心していました。
しかし、一週間後、この女性の娘さん(50代くらい)が「母の腕の骨が折れていた!治療代を払って欲しい!」と言ってきたのです。
私のパン屋は、ベビーカーなどのお客様でも負担なくお買い物できるように、段差などは一切ないですし、什器も比較的低めです。バリアフリーは徹底しています。
お店側に非はないと思っています。
今後、どのように対応すればよいでしょうか?
【石崎弁護士の回答】
床が特別滑りやすかったなど、お店の設備に何か問題があったのでなければ、 お店が責任を負うことはありません。
一言、「足元お気を付けください」といった注意喚起があってもよかったかもしれませんが、 杖を預かったのも、その女性の依頼でしょうから、 道義的責任を超えて、法的責任が生じることはないでしょう。
もちろん、変にお店の責任を喧伝されても困りますから、 何らかの形でケアするという選択肢もあります。
このような場合、 「責任を認めるわけではないが、現に損害も生じているし、 かわいそうなので、気持ちとして手当てします」という意味で、 「賠償金」ではなく、「見舞金」として支払うことになるでしょう。
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