行列の苦情【行列と近隣トラブル】

祖父の代から洋食屋を家族で営んでいます。

 

とある超人気俳優の方が、下積み時代に通っていた店として、テレビで当店を紹介してくださり、その効果で、想像以上にたくさんのお客さまにお越しいただき、連日行列ができるようになりました。

 

すると、近隣の方々から行列に対するクレームが入るようになりました。私から見て、特にマナーが悪いとは思いませんし、静かに順番を待ってくださっています。

しかし、行列が店の前に及んでしまうとある店主からは「営業妨害だ。即刻ランチを止めて欲しい」と強く言われてしまいました。

 

このような場合も、営業妨害に当たるものでしょうか。
(コック 30代 男性)




人気店にできる行列をめぐるトラブル

たくさんのお客さんで行列ができることは店にとって嬉しいことですが、その一方でトラブルになることもあります。たとえば近隣に別の店があったとしたら、その店から「営業妨害だ、閉店してほしい」と苦情を言われる可能性があります。このような問題は法律的に、どのように考えればいいのでしょうか。

この問題には、大きく分けて2つ考えるポイントがあります。1つは「本当に営業妨害になっているか」ということ、もう1つは、仮に営業妨害になっていたとして「店のせいで起きた営業妨害かどうか」ということです。

                          

「本当に営業妨害になっているか」

店の前に、自分の店ではない店の客がたくさんいれば、心穏やかではないでしょう。静かに行列の順番待ちをしていたとしても、入り口付近の席は使えなくなるでしょうし、カーテンを閉めっぱなしにするわけにもいきません。小売りであれば、場合によって目に触れる機会が増えて良い影響があるかもしれませんが、客が落ち着いて商品を見ることができないという意見もあり得ます。

いずれにせよ、個々のお客さんがマナーを守っているかどうかとは別に、営業上の問題があれば営業妨害になり得ます。法律的には「何となく嫌だ」では不十分で、具体的な損害状況を示す必要があります。

 

「店のせいで起きた営業妨害か」

次に、その営業妨害が店のせいで起きたものかどうかという点が問題になります。例えば、店側が行列禁止の整理券制にしたとしても、個々のお客さんがそれに従わずに周辺にたむろしていた場合でいえば、「店としてはできる限りの対策はしている」ということになるでしょう。逆に、店として何も対策を取っていなかった場合であれば、店の責任が問われる可能性が出てきます。

 

 

単なる行列であっても、法律上問題が生じることはあり得ます。また仮に問題がなかったとしても、周囲の人の協力がなければ店舗運営は難しいところがあるでしょうし、トラブルを増やすことは得策ではありません。ぜひ周辺の店舗と話し合って、対応を考えて欲しいと思います。

 

店の行列をめぐるトラブルでお悩みの方は、飲食弁護士の石崎冬貴にご相談ください。

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