中華・ラーメン店
中華・ラーメン店の経営においては、下記のようなトラブルやお困りごとはありませんか?
●床が油で滑り、お客様が転倒してしまった
●多額の原状回復費用を請求された
●のれん分けで独立したが、後になって師匠から「競業」だと言われた
中華やラーメン店は、調理方法からして、水や油、火などを大量に使います。また、修行してからのれん分けで独立するパターンも多く、これらにまつわるトラブルが多いと言えます。ここでは、飲食業界を専門に取り扱い、多くの紛争を解決してきた弁護士が、中華・ラーメンの経営者や店舗責任者が知っておくべき、法律知識について解説します。
目次
【よくあるトラブル①床が油で滑りやすくなっていたため、お客様が転倒して、怪我をしてしまった】
中華やラーメン店は、油を使いますから、床が非常に滑りやすくなっています。最近は、女性客も多いですが、女性は、ヒールなどを履いているため、転倒した場合、大けがに至る場合も少なくありません。どのような場合に、お店が責任を負うかは、個別の事案に即して考える必要がありますが、大まかには、転倒するような危険な状況だったか、お店としてそれを予見し、予防できたか、お客さん側に過失がなかったかといった点が問題になります。具体的には、床材などが同業他社と比べても一般的なものを使っていたか、定期的に掃除していたか、床が滑るなどのクレームはなかったかなど、一度確認してみましょう。1000万円近い損害賠償が認められたこともありますので、万が一、トラブルが発生した場合には、すぐに弁護士にご相談ください。
【よくあるトラブル②調理の性質上、厨房を拡大していたり、配管の詰まりもひどく、多額の原状回復費用を請求された】
原状回復費用は、業態によって大きく異なります。中華やラーメン店のように、厨房位置を大きく変更していたり、排水設備が詰まっていたりすると、多額の原状回復費用請求されてしまいます。最近流行りの居抜きの場合には、思わぬ原状回復費用がかかることがありますので、注意が必要です。原状回復の範囲について争いがなくとも、業者によって原状回復費用は大きく異なります。まずは、契約締結時に、原状回復工事が大家指定にしないとか、せめて協議するといった内容にするべきです。大家指定であっても、大家からの見積もりについて、適切に反論することで、費用を圧縮することが出来る場合もあります。一度、弁護士にご相談ください。
【よくあるトラブル③のれん分けで独立したところ、後になって、師匠から、競業だから営業をやめてほしいと言われた】
中華・ラーメン店は、元々勤めていたお店から、のれん分けの形で独立するケースが多くあります。師弟関係にありますから、通常は、円満に独立することが多いでしょうが、やはり近くで同様の業態を営業するとなると、お客様の取り合いになり、トラブルに発展することもあります。お互いに特に何も約束していない場合は、基本的に何の制限もありません。極端な話、隣で同じ業態の店を出しても構いません。もちろん、店名や看板、メニューなど、紛らわしい売り出し方をすれば、不正競争防止法という法律に違反する場合もあります。あまり多くはありませんが、独立に際して、エリアや、年数を決めて、ある程度、出店について制限する合意をすれば、それに従います。円満なうちに、どこで何をするのか、よく話しておくことをお勧めします。
【FOOD LAWYERのご提案】
中華・ラーメン店は、火や油を大量に使う典型的な重飲食ですので、店舗、物件を巡る問題がよく発生します。また、のれん分けも多い業態ですので、独立や競業を巡ってのトラブルもみられます。上記のような中華・ラーメン店における対策としては、
①床材などが同業他社と比べても一般的なものを使っていたか、定期的に掃除していたか、床が滑るなどのクレームはなかったかなど、現在の状況を確認する。万が一、事故が発生した場合には、すぐに弁護士に相談する。
②まずは、物件の契約締結時に、原状回復工事が大家指定にしない。せめて「協議する」ないようにする。大家指定であっても、大家からの見積もりについて、弁護士と相談しながら、削減できるところはないか適切に反論する。
③お互いに特に何も約束していない場合は、基本的に何の制限もないが、店名や看板、メニューなど、紛らわしい売り出し方は避ける。円満なうちに、どこで何をするのか、よく協議しておく。といった方法が考えられます。
中華・ラーメン店のオーナー様、店長様においては、お客様への告知方法や、お客様や大家との交渉代理など、飲食店専門弁護士へのご相談をお勧めします。設備関係や紛争予防など、その他の法的なトラブルでお困りの方も、お気軽にご相談ください。