事務所概要
目次
代表弁護士
Food Lawyer 石崎 冬貴
・法律事務所フードロイヤーズ代表弁護士(東京弁護士会所属)/社会保険労務士
・フードコーディネーター/飲食店経営者
・一般社団法人フードビジネスロイヤーズ協会代表理事
・一般社団法人日本料飲外国人雇用協会理事
・株式会社テンポスホールディングス 社外取締役
・リリース株式会社 法務担当取締役
・カフェスクール「レコールバンタン」講師
・東京弁護士会食品安全関係法部会所属
東京都生まれ 駒場東邦高等学校、早稲田大学法学部、千葉大学大学院専門法務研究科を卒業。弁護士法人横浜パートナー法律事務所に所属後、法律事務所フードロイヤーズを設立する。
飲食業界の法務を専門的に取り扱い、自身でも飲食店を経営するなど、飲食店経営者の目線に立って法的支援を行っている。
著書に「なぜ、飲食店は一年でつぶれるのか?」「飲食店の危機管理【対策マニュアル】BOOK 」(いずれも旭屋出版)「飲食店経営のトラブル相談Q&A─基礎知識から具体的解決策まで─」(民事法研究会)など。
自ら焼肉店オーナーとして、新丸子ホルモンマニアを運営中。
事務所紹介
法律事務所フードロイヤーズ
■住所■
東京都千代田区有楽町1-2-2
東宝日比谷ビル9F
■電話■
03-4540-6513
■メールアドレス■
ishizaki@foodlaw.jp
法律事務所フードロイヤーズの成り立ち
はじめまして、弁護士の石﨑です。法律事務所フードロイヤーズは、日本初の飲食に特化した法律事務所です。
ここでは、私が飲食に特化した法務サービスを行うようになった経緯をお話ししたいと思います。
生まれ~弁護士になるまで
私は、昭和59年12月、東京都中野区で生まれ、その後は足立区で育ちました。いわゆる「下町」と言われる地域でしたので、駄菓子屋やもんじゃ焼き、屋台のおでんなど、たくさんの安くておいしい食べ物が周りにあふれていました。思えば、そのときから、私の飲食業との関わりは始まっていたと思います。また、祖父が浅草で米の卸をやっていましたので、よく、米の保管場所や配達の車に乗せてもらったのもいい思い出です。
中学や高校では、多分に漏れず、学校の帰りに、ファストフードやたこ焼きなど、買い食いをしていました。今なら完全に太る生活でしたが、部活動やら何やらで、若いうちというのは体系が維持できるのが不思議です(笑)
その後、大学で入り、人生初のアルバイトをすることになりました。それが、某焼肉チェーンのキッチンです。飲食店の現場は戦場さながらで、ただでさえ世間知らずの私は、右も左もわからず、社員から相当怒られて、先輩のベテランパートの女性に慰めてもらっていました(涙)
しかも、深夜割増賃金に目がくらみ、22時から朝5時までの夜勤のシフトでしたので、大学など行けるはずもなく、当時はめちゃくちゃな生活を送っていたと思います。ただ、午前3時からでも30人くらいの団体がおいしそうにお肉を食べて、その後、締め作業で夜が明けるというような、飲食のリアルな現場を体験できたのは、本当にいい経験でした。私の原体験といっても過言ではありません。
その後、大学が忙しくなり、焼肉店でのアルバイトはやめてしまいましたが、食べることや飲むことが好きな私は、サークルやゼミなどの集まりで、隙あらば飲み歩いていました。(もちろん成人してからです!)今度は消費者の立場で飲食と関わることになり、また、見る目線が変わったと思います。
その後、大学院(ロースクール)に進学し、平成22年9月に司法試験に合格しました。
飲食弁護士になるまで
合格後の司法修習は神戸や姫路で、初めて関東を出ての生活でしたが、関西の豊かな食文化に驚いてばかりでした。よくある話ですが、スーパーにソースを買いに行って立ち尽くした記憶があります・・。だし文化、お好み焼き定食、今は亡きレバ刺し、明石のタコなどなど。食の奥行を感じる1年でした。
その後、平成23年12月に弁護士登録。縁あって、横浜の事務所に入所することになりました。横浜は初めてでしたが、神戸から横浜という港町ムーブにより、割とすんなりと街になじむことができました。
横浜も、中華街に洋食、飲み屋街など、食については他の街に引けを取りませんから、またも夜の街を練り歩くことになりました。
私が登録した時期は、ロースクールの設立と新司法試験が始まっており、弁護士が一気に増えたことによる競争激化がしきりに議論されていました。当時は消費者金融へ払い過ぎたお金を返してもらう「過払金」事件がまだありましたが、それも下火になりつつあり、法律事務所の経営はどうなるのか、不安視している弁護士が多かったと思います。当時、新規に登録した私の同期も、なかなか就職先が決まらずすぐに独立した弁護士も珍しくありません。
そんな中、私はというと、弁護士になったときすでに「これからは厳しい」「弁護士になっただけで食える時代は終わった」などと言われて育ちましたので、あまり危機感というものはなく、最初からそんなものだろうなと思って、今後のことを考えていました。
「過払い後は専門特化だ」ということで、弁護士になって2年が過ぎたころ、何に特化しようか真剣に考え始めたのですが、あまり悩みませんでした。これまでお話ししてきたとおり、私は元から飲食にゆかりがありましたし、自分のやりたい分野でなければ長続きしないだろうと思ったのです。
また、当時、Google検索で「●● 弁護士」と色々な分野で検索したのですが、「飲食 弁護士」だけほとんど検索結果がなかったのです。飲食という素晴らしい業界、そして、産業規模としても大きい分野で、誰もいないのはおかしいと思った私は、すぐに飲食に特化した弁護士になることを決めました。
また、もう一つ私の背中を押した理由があります。弁護士になって2年、色々な事件を担当するうちに、弁護士の業務というのは、人の不幸で始まり不幸で終わるということを感じました。弁護士の根本的な業務が紛争解決である以上、双方が完全に納得して事件が終わることはほとんどありません。こちらが勝てば相手が負ける、相手が勝てばこちらが負ける。そして、下世話な話ですが、弁護士に費用は請求額の何%というのが一般的ですから、不幸に比例して多額となるわけです。自分の仕事の意味について考え始めた時期、私を支えてくれたのは、やはり飲食店でした。おいしい食べものやおいしいお酒をいただきながら、友人やお店のスタッフなどと話していると、明日への活力が湧いてくる。飲食店は、お店やお客さん、大家や様々な取引業者などが、食を中心として、全員が笑顔になる空間です。そんな場所を支えることこそ、私が弁護士としてやるべき使命ではないか、そう思うに至りました。そんなこんなで、私は飲食弁護士になったのです。
飲食弁護士として、店を出すまで
飲食に特化してから数年が過ぎ、一つの疑問が浮かびました。自分は果たして本当に飲食業界のことをわかっているだろうか、というものです。
焼肉店でのアルバイトはしていましたが、それは経営ではありません。その私が、経営者に経営の実態に即したアドバイスができるかという、当然の疑問でした。
そこで、一念発起し、自分でも飲食店を開くことにしました。バーなども頭をよぎったのですが、やはり「飲食」というからには食事もしっかり出せる店にしよう、できれば焼肉だ!と意気込みました。
ちょうど居抜きの物件や、パートナーとの素敵なご縁があったのも、いいきっかけでした。ただ、開店の翌年、新型コロナウイルスで営業ができなくなることは、全く想定していませんでしたが・・
飲食弁護士とは?
飲食弁護士というと何をやるのか、よく聞かれます。あくまで飲食という切り口で法律上のアドバイスをしているだけですので、やっていることは、はっきりいって何でもありというところです。
多いのは、店舗の賃貸借関係(契約書、原状回復、相隣関係など)や労働問題(未払い賃金、ハラスメント研修)ですが、食中毒やクレーマーなどの顧客対応、取引先とのトラブル、契約書チェック、商標などの知的財産、企業の社外取締役などなど、多岐に渡ります。時には、経営者の事業承継や個人的な相談もあります。
いずれにせよ、飲食業は、ピープルビジネスで、多数の関係者と多数の契約関係がありますので、それだけ紛争の数も種類も多いのです。
ただ、深刻なトラブルになるケースは少ないため、「弁護士に相談するほどじゃない」「うちの規模じゃ顧問弁護士までいらないよね」となります。
飲食店は非常に忙しい業界です。ここまで読んで、そんな言葉が出た方にこそ、小難しい法律や経営の話は専門家に任せてみることをお勧めしています。
飲食業についての想い
飲食店というと、あくまで客としてかかわる場所であって、ビジネスとしての目線で言えば、「ブラック企業」「水商売」「3K」など、ネガティブな言葉ばかりです。でも、飲食ほど、お客様に喜んでもらえる仕事はありません。「ありがとう。また来るね。」と言ってもらえる回数が一番多いのが飲食です。
また、これからAIの時代になり、かなりの職業は機械にとってかわられると言われています。飲食はどうでしょうか?飲食はサービスと不可分です。オートメーションの一環として、機械が配膳するのはもちろん一つの選択肢です。でも、選べるのであれば、素晴らしい接客を受けたいと思うはずです。接客がよいかどうかで、食べ物の味は全く変わります。誤解を恐れず言えば、全く同じ味・同じ成分でも、職人が手間暇かけて作った料理と機械が作った料理では、私は違う味がすると思っています。機械では取って変わることができない最後の分野が飲食だと思います。
やりがいに満ち、そして、決してなくならない産業である飲食が、否定的な言葉で埋め尽くされるのは大変苦しいことです。ただ、それらの否定的な言葉は、ほとんどが、労働環境を中心としたコンプライアンスの問題といえます。
そして、それはまさに、弁護士である私の専門分野であり、微力でも、私自身が改善していくことのできるものでした。私が飲食に特化するに至ったのは、運命だと確信しています。
私が目指すのは、飲食業界がなりたい仕事1位になる世界です。弁護士として、また、一人の飲食店経営者として、そのような世界を夢見て、日々活動しています。